令和7年第4回定例会本会議一般質問

令和7年第4回定例会本会議一般質問

令和7年12月3日

自由民主党の高森喜美子でございます。令和7年区議会第4回定例会に当たり一般質問させて頂きます。今回は危機管理をテーマに3つ質問致します。答弁をお願い致します。

1危機管理としての公益通報について

公益通報者保護法改正における本区の取り組みについてです

公益通報者保護法は2004年6月18日に公布され、2006年4月1日から施行されました。

この法律が作られたきっかけとなったのは、2000年頃に相次いだ食品偽装や自動車のリコール隠しなどが、企業の内部告発によって発覚し、問題が明るみに出た為でした。

過去には、内部告発をした労働者が不利益な扱いを受けたり、解雇された事例もありました。

トラック業界の不正を告発した元社員が30年以上も不当な扱いを受けたケースもありました。

公益通報者保護法は、企業などの組織内で不正行為が行われている場合に、それを外部へ通報した労働者(公益通報者)を解雇や降格などの不利益な扱いから保護することを目的としています。

また、企業や官公庁の不正が、国民の健康や安全、財産に危機を及ぼすことを防ぐ目的もあります。

この法律により、通報者は安心して不正を告発できるようになり、通報が社会にとって価値のある事との認識が高まるとともに、企業の社会的責任意識の高まりにも繋がってきました。

その後、いくつかの課題に対応するため、2022年6月1日施行の法改正があり、事業者に適切な内部通報体制の整備が義務付けられ、通報者への不利益な取り扱いの抑止や救済の強化、通報対応の担当者に守秘義務が課されました。また、各地方公共団体は調査の結果、通報対象の事実または、その他の法令違反等の事実があると認めるときは、速やかに法令に基づく措置、その他適当な措置をとることが、明記されました。また、通報対象者が退職後1年以内の人や役員も対象となるなどの改正も図られました。もちろん、国や地方自治体にも適用され、条例や要綱を定めて運用されています。

昨年は某県知事の不祥事が連日報道され、公益通報者保護についても議論があり、適切に運用されたのかが、問題となりました。本区の運用については、木村議員から令和6年決算特別委員会の総括質問で触れられましたが、その後、今年に入り6月4日に法改正が成立し、11日に公布され、「1年6か月以内の施行」が見込まれる事となりました。2025年の改正は、公益通報者の範囲にフリーランスを追加し、公益通報を阻害する要因への対処として「公益通報をしないよう合意を求める事」や「通報者を特定するような行為」が禁止されます。内部通報体制の整備が義務化され実効性を高める為「勧告に従わない場合の命令権及び命令違反時の刑事罰」が追加されました。このように、公益通報を理由とした不利益な取り扱いに対する罰則が新設されたのです。また、内部通報制度の周知徹底が義務と明記されました。

私は、平成25年の第二回区議会定例会の一般質問で、住民からの公益通報も受け止めるべきと質問しました。それは大阪市立(桜宮)高校バスケットボール部の顧問教師による体罰を苦に、男子生徒が自殺してしまった事件がありました。事件の1年ほど前に、市役所に「(桜宮)高校で体罰があるので、何とかして欲しい。」との通報があったのです。通報を受けた職員は、教育委員会指導課に連絡。連絡を受けた指導課職員は、(桜宮)高校の校長と職場が同じだった経験のある人だったので、校長に連絡しました。すると校長は、「そんなに心配することない。」と答えたため、その通報は、活かされなかったのです。最近では、内部統制制度に基づく取組みも進み、組織の報告・連絡・相談などの基本や法令遵守、効果的かつ効率的な環境が整ってきていると思いますが、本区で運用されている要綱については、区民からの通報も受理する仕組みとして見直し、「台東区公益通報者保護条例」として定めるべきと考えますが、如何でしょうか。区長のお考えをお聞かせください。

また、公益通報者保護法に定められた実効性の確保は、文章に書いた内容を研修で知らせるだけでは不十分で、組織内部の不正に気付いたときの通報はどうしたら良いのか。そして通報を受けた総務課はどのような手順で誰が何をするのかシミュレーションし、実効性の確保を明確にすべきです。

危機管理の事案であることから、いつ起こるかわからない事象についての取組みは、難しいと思います。しかし、対応を誤ると、より深刻な事態になることが予想されます。台東区役所においては、年に一回程度、通報をする際及び、受ける際のシミュレーションをし、訓練実施の必要についても提案します。

区長のお考えをお聞かせください。

台東区には、外郭団体があり、台東区社会福祉事業団は、約30億円の事業規模であり、300人を超える職員体制になっていると聴いています。危機管理という点で、これらの組織においても公益通報保護法の趣旨に沿った対応が求められると思います。各外郭団体への対応はどのように考えているのか、区長の考えをお聞かせください。

2リチウムイオン電池の安全な取り扱いと廃棄方法の周知について

リチウムイオン電池の安全な取り扱いと廃棄方法の周知について伺います。

①リチウムイオン電池等の危険性と「PSEマーク」の周知についてです。

電池は大きく分けて繰り返し充電放電が可能な二次電池と使い切りの一次電池の二種類があります。これまで多く使われてきた一次電池にくらべ、二次電池には多くのメリットがあることからリチウムイオン電池が多くの用途に使われるようになってきました。メリットとして:小さくて軽い電池を製造できる。急速充電性が高い。大容量の電力を蓄えることが出来る。繰り返し継ぎ足し充電ができる。環境に負荷がかからない材料を使用できる、などがあげられます。近年の家電製品の小型化はリチウムイオン電池によるとも言われていて、スマートフォン、タブレット、パソコン、

携帯型扇風機、モバイルバッテリー、ワイヤレスイヤホン、コードレス掃除機など、私たちの生活に数多く入っています。ところが意外とデリケートで、とりあつかいを誤ると火災の原因となる危険性があることが、最近になって知られてきました。強い衝撃に弱く、落としたり、踏みつけたり。ペットが噛んでも故障し発火します。ストーブのそばや高温の車内でも発火します。ヘアピン、ネックレス、コイン、鍵などの金属と一緒に持ち歩くとショートする、などのデメリットは、火災に繋がるので注意が必要です。

最近多いのがモバイルバッテリーの事故で、7月に山手線車内でモバイルバッテリーが発火する事故が発生し、1時間以上運転を見合わせる事態となりました。また10月9日には、全日空(ANA)の機内で離陸直後に、モバイルバッテリーから煙が出る事故が発生しました。素早い対処の結果、発火には至りませんでしたが危ないところでした。こうした事態に初めて経済産業省は、安全表示義務違反の疑いのある電気製品のメーカーや輸入事業者を12月から公表するとしました。リチウムイオン電池などの販売には電気用品安全法などに基づき、安全基準を満たしたことを証明する「PSマーク」の表示が義務付けられています。国の定める検査を行う必要があり、確認の連絡に複数回応じない事業者は「連絡不通事業者」として公開されます。また、モバイルバッテリーの大規模なリコールが相次いでいて、昨年2製品・今年2製品の4製品のリコールが発表され、さらに10月にモバイルバッテリーやbluetoothスピーカーなど4製品を追加回収するとされ、この4製品に関する合計41件の重大事故報告がありました。そしてリコールの対象が50万台に上ることが分かり、行政指導を実施しています。10月には充電式の携帯扇風機において、充電ICの不具合により動作不良や発熱が発生する可能性があるとしてリコールを発表したメーカーもあります。リチウムイオン電池を含む製品は簡単に購入できますが、非常に燃えやすく処分する時も難しい製品であることを認識して「PSEマーク」が付いたものを選び、リサイクルをしている一般社団法人「JBRC」に加盟している企業の製品を選ぶなど、消費者に一定の自衛策が必要と思います。各家庭の中で火災が発生することを防ぐ為に、リチウムイオン電池を含む製品やモバイルバッテリーについての注意喚起や安全基準を満たした製品について分かりやすく周知する必要があると考えますが、区長のご所見をお聞かせください

②リチウムイオン電池等を含む製品の廃棄の方法の周知について伺います。

危険性を分からないまま廃棄されたリチウムイオン電池から発火し清掃車での火災や、廃棄物処理施設での火災が急増しています。新聞やテレビでも危険性について報道されていますが、先ずは、廃棄する際にリチウムイオン電池を含む製品なのかを判断出来る事が重要です。製品に直接明記されていることは少なく、買った時の箱や説明書は無くなってしまえば分からなくなります。やはり、「コンセントに繋がなくても動く製品は要注意!」リチウムイオン電池が使われていると認識されることが必要です。環境省が作成したポスターは、イラスト入りでこの事が分かりやすく表現され、自治体向けポスターも制作していますので活用は出来ないのでしょうか?台東区としての廃棄の仕方についても、分かりやすさが重要です。ホームページを見ましたが、辿り付きづらく改善すべきです。また、すでに来年度を見据えて廃棄の仕方を考えているようですが、火災に繋がる危険があることを考えると今できる対策が必要です。周知方法としてはホームページの改善、ポスターの掲示、チラシの配布、SNSでの配信といったところだとは思いますが、区民の皆様に知って頂き、協力をお願いするには区側の努力が欠かせず、時間もかかると思いますので、早急な対応をもとめます。区長のご認識をお聞かせ下さい。

3災害時のトイレの準備について

① 災害用携帯トイレの全戸配布について伺います

災害時の備えについて『災害備蓄は、生命(いのち)をつなぐ大切な存在である』との認識の下「台東区災害時備蓄物資等整備指針」を策定し公助による備蓄の充実と、管理状況の可視化を図り

「そこにある、すぐにわかる、使える」よう整備が進められていつ事は高く評価いたします。特に施設整備や公園改修などの際に、マンホールトイレを計画的に増やして頂いている事は評価いたします。

令和6年元日の能登半島地震は、電気・水道・ガスなどのインフラが寸断され道路や鉄道も不通となり緊急支援物資の搬入が困難になり、被災者に物資が届きにくい状況になりました。東日本大震災、熊本地震などの度に備蓄の大切さが叫ばれ、区民の皆様も防災訓練などの折に触れ、個人による備蓄について、家族の状況に応じた質や量の認識は深まってきていると感じています。水・食料・医薬品、卓上コンロや充電機などは多かれ少なかれ家庭に準備されるようになってきました。一方でトイレが使えないときの準備については、台東区民の意識調査でも、準備していない家庭が多い事が分かりました。マンションなどの共同住宅に住む方が8割となっている本区では、電気が不通になると、ポンプが作動せず水が出ず、トイレが使えなくなります。食品などはローリングストックなどで工夫できますが、災害用携帯トイレはなじみがなく、内容や使い勝手、保存期間などが分からずつい後回しになっているのではないでしょうか。一度台東区より全戸に災害用携帯トイレを配布し、トイレの使えない状況を想像して、危機としての認識を深める機会にしては如何でしょうか?トイレは言うまでもなく、健康と衛生環境に通じ、切実な問題であります。以前小坂議員が同じ質問をしていますが私からも。注意喚起のインフォメーションを添えて全戸配布の実施をお願い致します。

② 帰宅困難を想定した企業の災害用携帯トイレの備蓄について伺います

台東区は東京の中心区であり平日の昼間人口は大きく膨れ上がります。つまり多くの企業が活動し、そこには他県からも多くの方が働きに来ています。事業所・企業は災害発生時に来場者や従業員の安全確保と一斉帰宅を抑制し、事業継続を行うための備蓄を行う必要があるとされています。

事業所や企業における3日間の備蓄の中にトイレが使えない想定で災害用携帯トイレが備蓄されているのか心配です。帰宅困難者対策は東京都の所管であることから、台東区としては企業などの備蓄状況については把握しにくい事は承知していますが、災害時の事を想定すれば、トイレ危機が起こらないよう東京都と連携し対策を講じる必要があると考えますが、区長のご所見をお聞かせください。

 

以上で私の質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。